2010/01/20

北京旅行記 天安門~万里の長城

⊿一日目

まずはやっぱり天安門広場へ!


一説によると百万人が入れるというこの広場。中華国民の憧れの地にして、言わずとしれた天安門事件、血塗られた弾圧の現場でもある。
地方からの中国人観光客が、誇らしい顔で国旗や有名な毛沢東の肖像の写真を撮っている。
建国の瞬間を想像して、勝手に胸が熱くなる。


だだっ広い広場には、本当に塵一つ落ちていない。
中国人にとっても、ここは大事な場所なんだ。


右上)誇らしげにたなびく中国国旗
左下)可愛い掃除チャリに乗ったおばさん。ゴミもないので仕事もない。
右下)いかついっす。上海に比べてシャレがきかない雰囲気。




東四付近で通りかかったCDショップ。
小津安二郎のDVDがあったり、ダンスミュージック以外もセンスがいい。
"我是日本人"と言うと"Kentaroを知ってるか?"だって。ヨーロッパはだいたい"KenIshii" なんだけど。一応"友達だしおれのパーティに出てるぜ" って言っといた^^




ホテルの近所の家庭料理屋、
"成都土菜小吃"
今回の旅のFavorite Restaurant !!
ぱらっとした炒飯といい、まさにおれが求めていた中華料理がここにあった。TVでは大音量でジャッキーチェンの映画など流してる。 同じような店構えが並んでいるが、ここだけ大盛況。
ここの朝食に何度救われたことか.....


羊肉しゃぶしゃぶ名店(らしい)東来順。
さみしい一人鍋.....

上海と比べて、北京はレストランでも英語がほとんど通じない。
左下の白米を頼むのに、大苦戦。。
白飯→×
米飯→○


通りすがりの公園にあった、笑えるベンチ。
後ろのおっちゃんは酷寒の夜中なのに太極拳やってる。笑


⊿二日目

中華帝国の権力の中枢、故宮博物館(紫禁城)へ。

 見所満載だが、とにかく広すぎる!!場内で向こうがかすんで見えるほど。笑
ラストエンペラーの皇帝溥儀が即位の儀を行った場面。様子を想像すると鳥肌が立ってくる。

 


上二つ)古来より中国の皇帝は、年号と度量単位を決めていた。
 時間と空間を支配するなんて、まるでJoJoのディオじゃないか!
左)なんとなく琥珀に似ている^^ 右)龍の紋様。他にも鶴とか亀とかいろいろ楽しい。



中国のトイレで時々見かける標識 "向前一歩 文明一大歩"
「一歩前に進むことが、文明を発展させる」といったところか。
 こういう中国人の大それた所が、おれは大好き。松茸の滴より雄大でいいじゃないか。



夕陽の時刻が近づいてきたので、裏山である景山公園へ登ることに。
(バカとトラベラーは高いところに登りたがる?)
夕陽に染まる故宮や北京市街を一望の絶景!!美しすぎて言葉が出ない。
右)余計なものなしでお楽しみください^^


公園で出会った中国人の女の子に付き合ってもらって、西単へ買い物へ。
明日の万里長城遠征に備えて、どうしても手に入れたかったほっかいろを見事Get!

中国語では"暖宝宝/WangPaoPao"。発音といい、なんか可愛い!
一人では、うまく説明できなくて見つけられなかったのだ。


呑海/HouHaiへ行こうということになり、なんだかわからないけど楽しそうだったので、一緒にタクシーで向かう。このあたり上海での反省がまったく活かされていない^^

すごい!!
凍った湖をぐるっと囲んで、ど派手なネオンのバーが100軒以上!
決してクラブ系じゃないが、あちこちでバンドのショーをやっている。不思議なムードのある空間で、客引きのたくさんいるディズニーランドにいる気分。

指さし会話帖と筆談を交えながらの会話は、とても楽しく、素敵な時間を過ごせた。

ちなみに、おれの名前、龍馬/中国語読みlong maは、liu mangに聞こえるらしく、中国語で流氓、つまりさすらい人とかプレイボーイとか。
"I'm liu mang !"だいたい爆笑される。



⊿三日目

旅の後半のハイライト、万里の長城への遠征だ。

すぐに長城行きの919バスが見つかるはずが.....
あるわあるわ、至る所に919バス。青い制服の正規係員に聞いても、今日はもう終わっただの、向こうだ、あっちだと、言ってることがまるで違う。

基本的にごく一般の中国の人(特に中年以降)は、外国人に何か聞かれてもあまり理解できないか、シャイな人が多い。
この辺りは日本人と似ているのだが、何か言わなきゃ悪いと思ってるのか、自信たっぷりに(間違った情報を)教えてくれる。そこに悪意のかけらすらないので、こっちも笑ってしまうのだが、今回は参った。

なんとなく立ち姿が旅行者っぽい2人組に話しかけたら、やはり!韓国から来た大学院生で、同じように彷徨ってる様子。 これは日韓共同戦線組むしかないでしょう!!
彼らがなんとかバス停を発見!!無事に乗り込む。



軽く気絶してる間に長城到着!
3人で飯食いながら作戦会議。2人は漢字を読めない(意味がわからない)ため、おれがメニューをてきとーに訳してあげる。同じ漢字圏だと思っていたが、若い世代はハングルオンリーのようだ。

最高点までは、ショートカットの中国製ロープウェイ。
おおよそ世界遺産とは思えないぼろさで、田舎の廃れたスキー場を思い出す。
突風で煽られ、地上数十m上できしみながら何度も緊急停止。3人で発狂しそうに!
"Chinese Quarity!!""落ちたら国の有名人だ""帰りはゼッタイ乗らない!"など励まし合って?やり過ごす。


長城の最高点。
突風と標高1000m超えの冷気で、鼻はがびがび。
おそらく氷点下15度以下の超絶な寒さに、コートの下はなんと革ジャン、パンツoverパンツ、ヒートテックに暖宝宝の完全装備で立ち向かう。


龍のしっぽのようにくねくねと続く長城を眺めながら、悠久の歴史に思いを馳せる。
遠く故郷に家族を残して、いつ襲ってくるかわからない匈奴に備える守人、建設工事に従事しながら亡くなっていく人々.....(漢詩にそういうのがある)
ここは、辺境の地。
王朝は変わっても、中国とその他を隔てる心理的なボーダー。


夕陽がきれいそうだったので、韓国人の2人と別れ、反対側の高嶺、男坂に一人で向かう。
道行く人が一人もいない中、息も切れ切れ、ようやく到達。

素晴らしい夕陽!! 長い日が彫刻のような山々を照らし、陰影を深めている。
今回の旅の安全(際どいのもあったが^^)と、いい出会い、家族のことを夕陽に感謝した。




ほぼ最終のバスに飛び乗り、うつらうつらと時折眠りながら北京市内へ。
旅も終盤の山を無事越えて、疲れもピークに達している。

行きたいところはほぼ行けたし、市内に戻ったらちょっと良い所で飯でも食べて、最後の夜をゆっくり堪能しよう(平日だし)。
そんな甘い期待は、やはり見事に裏切られるのであった.....



絢爛の夜遊び ~北京編 へ続く)