2009/08/31

この国のかたち

昨日の参院選で民主党が歴史的な大躍進!
自民党は62年ぶりに第一党を明け渡し、民主党政権となる。

戦後日本を支えてきた日本の政治=自民党の制度疲労に対して、たとえ拙くとも新しい政治にかけたい!という思いが、小選挙区制の恐るべき破壊力と相まって、結果的には二大政党制の端緒についた。


僕自身も、東京6区の民酒党じゃなかった、民主党候補小宮山洋子に投票したのと、比例は田中康夫率いる新党日本に投票しました。
田中康夫はSPA!に連載しているペログリ日記が面白いからではなく、マニフェストにあるベーシックインカムに興味があるから。

ベーシックインカムについては、まだ勉強中なので細かいコメントは差し控えたいが、簡単に言うと、『生活に最低限必要な所得を全ての個人に無条件で支給し、「『万人の真の自由』と生存権を保証」するシステム。働いている人も働いていない人も、おばあちゃんも赤ちゃんも、体の不自由な人もそうでない人にも均等に支給し、自分の判断で自由に使っていただく所得保障-。』

単に人数×金額なので、継ぎ接ぎだらけで難解過ぎる年金・保険・福祉・失業保険など給付の管理コストを大幅に下げられる(社会保障制度をBIに一元化し公務員を減らす)
厚生年金の併給調整や経過的加算など、今の年金制度を諳んじて算出出来る人っているのだろうか?
どうせ覚えても後期高齢者医療制度とか、たぶん一瞬でなくなるし。

あとは少子化対策にとって、強力な切り札になり得るかと。一人あたり月額5万のBIだったら、子供二人いる4人家族では月に20万。なんか増やせば増やすほど得に感じない?
首都圏への一極集中の是正にも効いてくる。給付金額が一律だから物価の安い地方に住んだほうが得になる仕組み。どうよ?

根本的には社会が抱える無駄な時間や労力をそぎ落とし、低コストな社会をつくろうということ。
ホリエモンのblogにもある通り、僕らはお互い高コストを払い合っていて、それらは全て物の値段に反映されている。彼のいう「働かざるもの食うべからず、は、もう古い倫理観なのだと私は思う。(中略)実は社会全体の富を増やす労働ではなく、社会全体の富を食いつぶしている負の労働があるのではないか、と思っている。」なんてどきっとするね。

「働くこと」そのものの価値が入れ替わる。産業革命以降の大発明なのでは?と思うくらいだ。
いまだ実践に移せた国はないようで、まぁコストの問題やらハードルはあるんだろうが、かなり興味がある。

詳しくは、山崎元のコラム(面白い!)や、youtubeに上がってる田中康夫news、ゲッツ・W. ヴェルナー先生のベーシック・インカム―基本所得のある社会へを読むといいみたい(おれもまだ読んでないけど)


もう一つ。去年知ってびっくりしたこと。
いまどき個人事業主でさえ、複式簿記で65万円の控除をGETしている時代に、わが日本国はなんと単式簿記、つまり小学生の小遣い帳レベル。
石原慎太郎が言ってるんだけどさ、ありえなくね?
2006年度から東京都は独自に複式簿記にしてるってことだけどさ、いまどき日本だけだって...詳しくはこちらを見て欲しいが、要は現金が増えた減ったしか把握してないので、資産も負債もお金の流れも、まったくわからないってわけ。景気対策をしても、それがどう効果を産んでいるかが実測できないってわけ。
ひどいもんでしょう???

さて、1億2700万もの人が狭い国土にひしめき合い(じっさい混んでるのは東京周辺だけだが)、最低限自己完結しうる市場規模に助けられてきた日本。隣の韓国を見れば人口の差が国力の差になりうることを想像できると思う。

その日本も、これから先、類を見ない少子化・高齢化社会を迎える。
どこへ向かうのか、政治家ばかりに任せず、はっきりとした意思表示を、選挙でも、日常生活でも、続けていきたい。

それこそがアートだから。